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法務省の「相続人申告登記」についてのページの解説があります。

制度の概要
 期限内(3年以内)に相続登記の申請をすることが難しい場合に簡易に相続登記の申請義務を履行することができるようにする仕組みとして、「相続人申告登記」が新たに設けられました。
 なお、相続人申告登記は、簡易に義務を履行することができる一方で、以下のような留意点があるため、直ちに遺産分割や相続登記の申請をすることが難しい場合などに、義務を果たすために利用いただくことが想定されます。
 〇 不動産についての権利関係を公示するものではないため、相続した不動産を売却したり、抵当権の設定をしたりするような場合には、別途、相続登記の申請をする必要がある。
 〇 遺産分割に基づく相続登記の申請義務を履行することはできない。

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00602.html

相続申告登記とは

令和6年4月1日から相続登記が義務化されるのと同時に「相続人申告登記」の制度も新設されました。

相続登記義務化により、不動産の所有権を取得した相続人は、相続の開始及び所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をすることを義務付けました。これは、遺贈(相続人に対する遺贈)により所有権を取得した者も同様です。(改正法第76条の2)

そして正当な理由なく、申請義務に違反すると10万円以下の過料の対象となります。(改正不動産登記法第164条)3年以内に相続登記をしないと、過料が科される可能性が出てきたわけです。しかし、遺産分割協議(相続についての話し合い)がまとまらない。相続人に認知症等で判断能力が欠けている方がいたり行方不明の方がいたりして、話し合い自体ができない。などさまざまな理由により3年以内に相続登記申請ができるとは限りません。それでは、3年以内に相続登記の申請を行うことができない場合、どうすればよいのでしょうか。

そこで相続登記の申請を履行したものとみなされる簡易な方法として「相続人申告登記」が新たに設けられたのです。

なお相続人申告登記は、あくまで一時的な手段であり、本来的な相続登記の申請ではありませんので、相続した不動産を売却したり、抵当権の設定をしたりするような場合には、別途、相続登記の申請をする必要があるため、注意が必要です。相続登記の義務化についてはまた別の記事でご紹介しています。

⇒【令和6年施行】相続登記等の義務化についてについて、詳しくはこちら

相続申告登記の流れ

相続人申告登記とは、対象となる不動産を特定した上で、
①所有権の登記名義人について相続が開始した旨
②自らがその相続人である旨
を3年以内に法務局(登記官)に対して申し出ることで、申請義務を履行したものとみなす制度です。

相続人申告登記は、あくまで一時的な手段であり、本来的な相続登記の申請ではないため、提出する書類は相続登記に比べて少なくなっており、簡易に申請できる制度となっています。

ただし、申告した相続人のみが義務を履行したものとされますので、複数いる相続人のうちの一人が申告したとしても、他の相続人にその効果は及びませんので注意が必要です。なお複数人の相続人が同時に相続人申告登記をすることは可能です。

相続申告登記のメリット・デメリット


相続人申告登記のメリット

相続人申告登記で、想定される主なメリットは以下の通りです。

「とりあえず、取り急ぎ」で義務を履行できる
事情があってすぐに相続登記ができない場合で、相続登記と比べると、費用や手間が簡素化された手続きで義務が履行でき、10万円以下の過料を回避できます。

費用や手間が簡略化された手続きで、単独で申請できる
相続登記と異なり、法定相続人全員の協力が得られなくても、相続人単独でも手続きが可能で、登録免許税もかかりません。


相続人申告登記のデメリット

相続人申告登記には、デメリットもあります。想定されるものは以下の通りです。

そのままでは売却ができない
相続登記とは異なり、あくまで相続人であることを申告するだけの登記に過ぎないので、売却するためには、正式な相続登記をしなければなりません。

遺産分割協議が成立した場合、二度手間に
相続人申告登記をした後に、相続人間で遺産分割協議が成立した場合には、不動産を取得することになった相続人が、遺産分割協議が成立した時点から3年以内に、相続登記をしなければならず、手続が二度手間になってしまう。

申出人以外の相続人は義務未履行
申告した相続人のみが義務を履行したものとされますので、複数いる相続人のうちの一人が申告したとしても、他の相続人にその効果は及びません。

相続申告登記の費用


相続人申告登記にかかる手続き費用

基本報酬=33,000円(税込)

※1 不動産の1個につき1,100円(税込)を加算させていただきます。

※2 複数人で同時申出の場合は、1人につき11,000円(税込)を加算させていただきます。

※3 兄弟姉妹(第3順位の相続人)が相続人となる場合は、チェックする戸籍の数が多くなりますので、11,000円(税込)を加算させていただきます。また、数次相続が発生している場合には、一次相続ごとに7,700円(税込)を加算させていただきます。代襲相続が発生している場合も同様に、7,700円(税込)を加算させていただきます。
「代襲相続」とは、相続人が先に死亡したときにその人の子が相続する場合などです。


相続人申告登記にかかる実費

実費=無料
登録免許税は無料です。ただし郵送による申出に当たっては、所定の郵送料が必要となります。

※ 申出に必要な戸籍や固定資産税評価証明書等を当事務所で収集する場合は、1通につき1,650円(税込)の手数料及び実費となります。

その他の実費としましては、

  • 登記情報=1通331円
  • 登記事項証明書(登記簿謄本)=1通520円
  • 戸籍謄本=1通450円
  • 除籍・改製原戸籍謄本=1通750円
  • 戸籍の附票=1通200~300円
  • 住民票=1通200~300円
  • 郵送料

などがございます。

⇒相続手続の料金について、詳しくはこちら

最後に

相続人申告登記の概要やメリット、デメリットについて解説しました。相続登記が義務化され、対応において困っているという方は、ぜひ参考にしてみてください。

相続人申告登記制度を利用すれば、各相続人が単独で、相続人であることを申告できるので、相続登記義務化の罰則を免れることができます。いろんな事情で遺産分割協議がまとまらない場合など、本来的な相続登記ができない場合には、相続人申告登記制度を利用することをご検討ください。

しかし相続人申告登記は、あくまで相続人であることを申告するだけの登記に過ぎないので、権利関係をきちんとしたい場合には、相続登記をする必要があります。相続登記手続の詳細は、相続登記のページをご覧ください。

相続登記の義務化を含めてより詳しくお聞きになりたい場合には、ぜひ司法書士に相談してみられることをおすすめします。

⇒相続による不動産の名義変更(相続登記)について、詳しくはこちら

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最終更新日 2025年10月4日