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民法の一部を改正する法律(債権法改正)について
令和元年12月27日更新 (「ポスター・パンフレット」の欄にマンガ「桃太郎と学ぶ民法(債権法)改正後のルール」を新しく追加しました。)

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_001070000.html

民法(債権法)の改正が、令和2年4月1日から施行されます。法務省のホームページにも資料の中には、マンガもあります。

桃太郎と学ぶ民法(債権法)改正後のルール」という、桃太郎がさまざまなトラブルに巻き込まれながら、時々法務省の人が現れては、知識を授けてもらい、改正民法を学びそして使って難を逃れるというストーリーになっています。

あとは読んでからのお楽しみというか、40ページちょっとなので、すぐ読めます。ただしざっくりと改正法を知ることができる程度です。

マンガでは、

 ①約款(やっかん)
 ②賃貸借
 ③消滅時効
 ④保証

の部分について触れています。

①約款(やっかん)は、私たちの日常生活にも関わる幅広い取引において使われています。

例えば、鉄道・バス・航空機などの運送約款、各種の保険約款、銀行取引約款などが該当します。また、オンラインのサービスにおける利用規約なども該当します。さらに、書面として相手方に提示する契約書の契約内容についても該当します。

これまでの民法には、約款についてのルールがありませんでした。約款の取扱いについては不明な点が多いため、そこで新しい民法では、このような契約条項を「定型約款」と呼び、定型約款の中の条項がどのような場合に契約内容となるのかといったルールが定められています。

また、利用者の利益を一方的に害する不当な条項については、合意したとはみなさない(契約内容とならない)ことも定められました。

②賃貸借は、「原状回復義務」と「敷金」について、ルールが設けられました。

原状回復義務とは、賃貸借契約が終了した場合には、部屋を借りていた人(借主)は、その部屋を元の状態(原状)に戻して貸主に返還しなければならないと解されています。

この原状回復義務の範囲について、これまでの民法の文言上は明確ではありませんでした。新しい民法では、通常損耗及び経年変化(普通に使っていてもつく汚れや傷)ついては、直さなくてもよいというルールとして明確に定められました。一方で、借主の責任で部屋に生じた損耗(普通の使い方では生じないような汚れや傷)の修復は、借主が負担すべきとされています。

また、敷金についてもルールが設けられました。敷金は、商習慣としてあっただけで、これまでの民法には、その定義や敷金の返還義務などについての規定はありませんでした。

敷金とは、借主の賃料などの滞納などがあった場合に、貸主が支払をきちんと受けられるように、借主から預かる金銭のことであると定められました。また、敷金ではなく保証金などの呼び方をしても、上記のような性質の金銭は、敷金として扱われます。

そして、賃貸借契約が終わったときには、賃料などの弁済に充てた後に残った敷金は、借主に返還しなければならないというルールが明確に定められました。借主がきちんと家賃などを支払っていれば、その全額を返してもらえるのが原則です。ただし、普通の使い方では生じないような汚れや傷を借主が作ってしまった場合には、返還される敷金から元の状態に戻すための費用が差し引かれます。

③消滅時効とは、一定の期間、その権利を行使しないと、その権利が消滅して請求をすることができなくなる制度です。

これまでの民法では、原則として請求できるときから10年で時効消滅します。また、商事債権(商行為によって生じた債権)は5年、飲食店の代金は1年、工事の請負代金は3年など、職業や取引内容によって異なる短期の消滅時効の期間が定められていました。

新しい民法では、

  • 権利を行使することができることを知った時から5年間
  • 権利を行使することができる時から10年間

のいずれか早く到達するときに時効によって消滅すると改められることになりました。

④個人が保証人になる場合、保証の対象となる債務が契約の時点では特定していない「根保証」契約では、保証人の責任がどの程度大きなものとなるのかを予測することが難しいので、保証の上限額(極度額)を定めなければ、効力を生じないこととされました。
※個人が保証人になる場合の注意点ですので、会社などが保証人になる場合は別です。

また、会社の事業のための借金の保証については、公正証書を作成しなければ、効力を生じないこととされました。

あくまでも桃太郎のマンガは、ざっくりと改正法を知ることができる程度なので、より詳しく知るために、法務省のホームページには、解説資料等が用意されています。

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