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はじめに

昔の抵当権等(休眠抵当権)ついては、【完済した証明書がない場合】の特例が利用できたり、抵当権者の相続人の人数が少なく、その全員に任意に協力していただければ、ある程度容易に抵当権等の登記を抹消することができます。しかしながら、上記の特例の要件にあてはまらなかったり、要件は満たしているものの登記された債権額が高額であるために供託する金額が高額になってしまう場合や、抵当権者に数次相続が発生して相続人が多数になり協力が得られない方がいる場合には、裁判による抵当権抹消を検討することになります。

⇒昔の抵当権(休眠抵当権)の抹消について、詳しくはこちら

裁判による抵当権抹消の流れ


抵当権の調査

裁判による抵当権抹消は、抵当権者またはその相続人全員を相手に、抵当権抹消請求訴訟を提起し、裁判に勝訴し判決が確定すると、不動産の所有者が単独で抵当権抹消登記を申請することができます。

まずは、登記簿を確認して抵当権者の調査を行います。抵当権者が亡くなっている場合はその相続人を確認するために戸籍謄本等を取得する必要があります。

数次相続が発生して相続人が多数の場合、かなりの時間を要することになり、数か月かかることもあります。

また登記簿より抵当権の債権額や弁済期の調査を行います。


抵当権者の相続人に手紙の送付

実際に訴訟を提起する前に、抵当権者の相続人の方たちに対して、お手紙を送付します。

いきなり訴訟を提起すると、何も知らない相続人の方たちに裁判所より書類が送られてくるため、その結果驚かせることとなってしまいます。相続人の方たちはそもそも抵当権の存在を知らない場合が多く、数次相続を経て自身が抵当権者の相続人であるということを知らなかったという場合もあるからです。ですので、事前に手紙で[今回やむを得ず裁判手続きを利用することになった経緯][費用負担がないこと]に加えて、以後の手続きの説明などを行います。


訴訟を提起

管轄裁判所に訴訟を提起します。

明治や大正、昭和の始め頃の抵当権の場合、債権額が数十円から数百円だったりすることがほとんどなので、訴額が140万円以下となり司法書士が依頼者の方の訴訟代理人となって法廷に立つことができます。ですので、依頼者の方に裁判所にお越しいただく必要はありません。ただし、債権額が140万円を超えている場合や、相手から移送申立てが出て地方裁判所に移送された場合には、司法書士が代理人になることはできません。


判決

相手方である抵当権者またはその相続人の方たちに対して、事前に手紙の送付などを行い[やむを得ず訴訟手続きを利用することや費用負担がないこと]等の説明をしていることもあり、裁判に出席して反論があることが少ないため、反論がなければ数か月で訴訟は済みます。しかし反論があった場合には年単位で時間がかかることもあり得ます。

また訴訟の途中で相手方が亡くなるなどした場合は、亡くなった方の相続人に手続きを「受継」する必要があるため、当初の見込みより時間が掛かる可能性もあります。


抵当権抹消登記

判決期日より約2週間後に判決が確定します。裁判に勝訴し判決が確定すると、不動産の所有者が単独で抵当権抹消登記を申請することができます。法務局に登記を申請し、1週間程度で完了します。

手続にかかる期間と費用

【完済した証明書がない場合】の特例が利用できる場合の抵当権の抹消に比べて、手間も時間もかかります。裁判による抵当権抹消を行った場合、半年以上かかることもありますし、1年以上もかかることもあります。

裁判による抵当権抹消については、抵当権抹消登記に至るまでの抵当権者の調査費用等の実費については、実際に着手してみないと分かりません。相続人の人数が多数になると戸籍謄本等を取得する数が多くなりますし、裁判の予納郵券も多くなります。また裁判の収入印紙も、抵当権の債権額や不動産の評価額によって異なります。

いずれにしても、【完済した証明書がない場合】の特例が利用できる場合の抵当権の抹消と比べて、数倍費用が高くなります。そして個々の事案によって大きく費用が異なるため、供託による休眠抵当権の抹消登記以外の場合は、お話を伺った上でお見積りをいたします。

おわりに

昔の抵当権等(休眠抵当権)ついては、借金等の債権は完済したにも関わらず、抵当権設定登記を抹消するのを忘れてそのまま何十年も放置してしまったという場合がほとんどです。

なお金融機関などの一般的な住宅ローンについて完済された場合、金融機関から抵当権抹消登記に必要な書類が送られてきます。抵当権抹消登記は申請をしないといつまでたっても消されません。すぐに手続きすれば、「早く」「安く」手続きできますので、ささっと済ませてしまうことをおすすめします。

⇒住宅ローンを完済された方へ【抵当権抹消登記について】詳しくはこちら

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最終更新日 2023年10月27日