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所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し(民法・不動産登記法等一部改正法・相続土地国庫帰属法)
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00028.html
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令和3年4月に相続土地国庫帰属法が成立しました。相続土地国庫帰属法では相続によって取得した土地を手放して国に引き取ってもらえる制度が創設されました。また民法・不動産登記法等の改正法では相続登記などの義務化を規定しています。
⇒【令和6年施行】相続登記等の義務化について、詳しくはこちら
相続土地国庫帰属制度について
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html
マンガで読む法改正・新制度 ここが変わる!相続登記の義務化と相続土地国庫帰属制度
https://www.moj.go.jp/content/001393331.pdf
要件はかなり厳しいです。まず建物は対象にならないので引き取ってはもらえません。そして基本的な考え方として、「通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地」に該当しないことを要件としています。簡単に言うと、管理や処分が大変ではない土地ということになります。
要件を緩やかにしてしまうと、管理や処分が大変な土地でも国に引き取ってもらえることになり、土地の管理を相続前から放棄して、その管理費用や労力を国に押し付けるといったモラルハザードの発生のおそれが出てくるので、それをを防止する必要があるからです。
地目によっての制限はないため、農地や森林であっても、要件を満たせば引き取ってもらえるということになります。
次のいずれかに該当している土地は引き取ってもらえません(新法第2条3項各号、第5条1項各号)
繰り返しになりますが、建物は対象になりません。
国庫帰属の審査が合格した後に支払う負担金については、10年分の土地の管理費用相当額ということで、原則20万円としながら、①宅地、②田・畑、③森林については、面積に応じて算定するという例外を設けています。
なお登記記録上の地目だけでなく、現地調査等や使用状況よって判断されます。
上記の通り、引き取ってもらうには要件がかなり厳しく、負担金として一定の金銭を国に納める必要があったり、利用が難しいよう感じます。しかし施行後5年を経過したところでの見直しの規定もあることから、今後の状況によっては、徐々に利用しやすい制度になる可能性はあります。
この制度を利用できるのは、「相続等によりその土地の所有権の全部又は一部を取得した者」とあり、相続が発生した時期について制限を設けていません。よって、 施行日より前に発生した相続によって土地を取得した方も利用可能です。
相続登記が未了で相続土地国庫帰属制度の利用をお考えの方は、いざ相続登記をしようとしたときに手続きが大変になったり、余計な費用がかかってしまったりと手続きが大変になることもありますから、できることなら早めにした方がいいでしょう。
また令和6年4月1日からは、「相続登記の義務化」がスタートします。今からぜひ手続きを進められるよう準備を始めてください。
⇒相続による不動産の名義変更(相続登記)について、詳しくはこちら
最終更新日 2023年5月2日