目次
預けて安心!自筆証書遺言保管制度
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html …
自筆証書遺言保管制度について
キャラクターは「遺言書ほかんガルー」なんだそうです。
遺言者は、自筆証書遺言を作成し、保管の申請は「遺言者の住所地もしくは本籍地」又は「遺言者が所有する不動産の所在地」を管轄する法務局(遺言書保管所)の遺言書保管官に対してすることができます。
保管の申請は、遺言者が遺言書保管所に自ら出頭して行わなければなりません。また、遺言書は、封のされていない法務省令で定める様式に従って作成されたものでなければなりません。
申請の際に注意しなければならない点としては、
①本人が自ら出頭すること
②遺言書の封筒の封をせずに持参すること
になります。
※ 遺言書保管所においては、遺言の内容についての質問や相談には応じてもらえません。遺言書を保管申請書及び添付書類とともに作成して、予約の上来庁する必要があります。
この保管制度を利用すると、家庭裁判所での検認の手続きを省略できるようになります。
検認の手続きとは、
ことによって、遺言書の偽造・変造を防ぐための手続きです。その遺言書の「内容」が有効か無効かを判断するための手続きではありません。
時間と手間がかかる検認の手続きを省略できることが、この保管制度を利用する最大のメリットですが、実は落とし穴があります。
遺言書保管官は、保管の申請にかかる遺言書について、「形式的」に有効か無効かの確認の審査を行うだけで、その遺言書の「内容」が有効か無効かを判断して受付する訳ではないのです。
形式的に有効であれば保管してもらえるので、法務局に保管したからこれで安心とはならないので注意が必要です。
「内容」の適法性や有効性の確認はされていないので、後々の手続の段階で法的な不備があれば無効になることもあり得ます。
それぞれの家族関係や財産状況、遺言者の思いなど、様々な意見があると思いますので、一概には言えませんが、私は公正証書遺言をおすすめすることが多いです。
遺言者が遺言書の保管の申請をできる遺言保管所は、
のいずれかを管轄する遺言書保管所になります。例えば、島根県内在住の方は、 島根県内いずれの法務局(遺言書保管所)でも保管申請できます。
ただし既に他の遺言書を遺言書保管所に預けている場合には、その遺言書保管所においてのみ保管申請をすることができます。例えば、毎年遺言書を追加するという場合は、同じ遺言保管所に継続して保管申請をする必要があります。
法務省令で定める様式については、次のようになっています。
遺言書の保管の申請の手続終了後は「保管証」が遺言者に交付されます。
この保管証は、遺言の内容についての記載はされません。遺言者が遺言の内容を確認したいときには、遺言書の閲覧の請求をする必要があります。
遺言書の閲覧については、モニターによる遺言書の画像等の閲覧は、全国どこの遺言書保管所においてもできますが、遺言書原本の閲覧については、原本が保管されている遺言保管所にのみ閲覧の請求をすることができます。ただし、いずれの場合も、遺言者本人の出頭が必要です。
遺言者は、いつでも遺言書保管所に保管されている遺言書について、保管の申請の撤回をすることによって、遺言書の返還等を受けることができます。ただし、遺言者本人の出頭が必要です。
これは、保管の撤回であり、遺言自体の撤回ではないので、返還された遺言書自体の効力に影響はありません。
※ 遺言書の撤回及び変更の届出については手数料はかかりません。
⇒遺言書の保管の申請等に係る手数料の額について、詳しくはこちら
公正証書遺言の検索システムと同様に、法務局(遺言書保管所)において相続人や利害関係人(受遺者・遺言執行者など)又はこれらの親権者や成年後見人等の法定代理人(以下「相続人等」といいます)が検索・照会することができます。なお遺言者の存命中は、遺言者本人以外は検索することができません。
遺言者が亡くなられている場合は、相続人等は、全国どこの遺言書保管所においても、
の交付を請求することができます。
また遺言書の閲覧については、モニターによる遺言書の画像等の閲覧は、全国どこの遺言書保管所においてもできますが、遺言書原本の閲覧については、原本が保管されている遺言保管所にのみ閲覧の請求をすることができます。
なお相続人等が遺言書情報証明書の交付を受けたり、または遺言書の閲覧をしたときは、遺言書保管官はその方以外の相続人等に対して、遺言書を保管している旨を通知します。
遺言の内容が法的に有効であれば、この遺言書情報証明書を利用して、その内容通りに遺産相続手続きを進めることになります。例えば、相続登記の申請をするときは、登記申請書に遺言書情報証明書を添付します。
遺言書情報証明書の交付請求には、
が必要になります。これは家庭裁判所での検認を申し立てる際に必要となるものと大差がなく、手間自体はほとんど変わっていません。
「遺言書の保管の申請」は遺言者本人のみが申請することができます。
「遺言書保管事実証明書・遺言書情報証明書の交付の請求」は、相続人や利害関係人(受遺者・遺言執行者など)又はこれらの親権者や成年後見人等の法定代理人(以下「相続人等」といいます)のみが請求することができます。
「遺言書の閲覧の請求」は、遺言者の存命中は遺言者本人のみ、遺言者が亡くなられた後は相続人等のみが請求することができます。
したがって、委任状によって任意代理人として申請や請求をすることはできません。
申請書や請求書の作成に関して、司法書士は遺言者本人や相続人等に代わって作成ができるようになっています。当事務所では、この法務局における自筆証書遺言書保管制度に係る各申請書・請求書の作成を業務として承っております。また、自筆証書遺言及び公正証書遺言のことについてもお気軽にご相談ください。
最終更新日 2024年2月15日